ちょっと奮発して、高いホテルに泊まると、必ずやってしまうことがある。
少しグレードの高いホテルでは、バスルームに高級なアメニティが用意されている。
有名ブランドの石鹸や小瓶に入ったシャンプーやリンス、ボディローションが洗面所に備え付けられている。それらをホテル滞在中には使わずに持って帰るのだ。
アメニティは毎日のハウスキーピングで補充されるので、連泊すれば、毎日新しいものが補充される。
気の利いた清掃係さんだと多めに置いておいてくれたりするので、3泊ぐらいすると結構な量になる。

使い捨てのものだから、それを持って帰っても罪にはならないだろう(他の備品等はさすがに持ち帰らない)。
ロクシタンやミラーハリス等有名ブランドのアメニティを使っていることもあるので、自分へのお土産替わりになる。自分のことながら、貧乏くさい癖だと思う。
それなりのホテルに泊まっておきながら、石鹸をケチって使うのがみすぼらしいし、余っている瓶をその度毎にカバンに隠すのもみみっちい(洗面台にそのままにして置いておくと、「まだある」と判断されて、補充してくれないことがあるので)。
ずっと続けているので、自宅にはいろんな種類の石鹸やシャンプーの小瓶がある。
さすがに他人にプレゼントできないので、自分で使用しているが、まだまだ使い切るのには時間がかかりそうだ。

この貧乏くさい行動を続けていて、恥ずかしい思いをしたことがある。
初めて、ハワイに行った時、アウトリガーホテルに泊まった。
いつものように「シャンプーや石鹸を持ち帰ろう」とカバンに詰め込んだ。帰国するため、空港に向かった。空港で手荷物検査を通ったら、呼び止められて、念入りに手荷物を検査された。厳重検査に引っかかった理由は、そのアメニティーだった。
レントゲン検査で、たくさんの怪しい小瓶が映ったので「ドラッグでは?」と思ったのだろう。
ハワイで男性一人の旅行者というのも、不信感を増した要因だ。
アメリカはドラッグに対する警戒が強い。
アジアの手荷物検査でそんな風に疑われたことはなかったので、びっくりした。
カバンの至る所をリトマス紙みたいな紙で丁寧に拭き取って、検査していた。
検査官が中身を厳重に調べて、単なるホテルのアメニティーだとわかったら、笑顔で通してくれたが、この時ほど恥ずかしかったことはない。
その女性の検査官は「変なジャパニーズだ」と思ったのではないだろうか。